新潟大学工学部 晶析工学研究室

資源晶析の研究


研究概要

 この研究では、廃棄物や天然資源に含まれる有用な金属成分を高純度結晶として選択的に取り出し、金属資源を種々の産業分野へ利用することを目的としています。私たちの研究室では、液体中に溶存する金属資源成分の回収に適した「反応晶析法」を用いて、高純度かつ粒径や形状のそろった結晶または造粒物として金属資源を回収する研究を進めています。これまでに、ホタテ貝殻廃棄物に含まれるカルシウム成分を炭酸カルシウム結晶として取り出し、食品や先端材料への再利用を試みる研究[小久保2012]、塩湖や温泉などの天然資源に含まれるリチウム成分を炭酸リチウム結晶として取り出し、リチウムイオン電池や医薬品への再利用を試みる研究[小関2013]、乾電池廃棄物に含まれるマンガン成分を炭酸マンガン結晶の造粒物として取り出し、肥料への再利用を試みる研究を行っています[猪股2021]。これまでに、転動造粒機を用いた炭酸マンガン造粒物の製造条件を検討しています[赤塚2021]

図 不純物溶存下で反応晶析される炭酸リチウム結晶[小関2013]


卒業論文

※印は、鶴岡工業高等専門学校(旧)晶析工学研究室におけるもの
【卒業論文】赤塚 未央「パン型造粒機を用いた炭酸マンガン粉体の大粒径化」(2021)
【専攻科論文※】小関 恭史「反応晶析法を用いたリチウム塩湖擬似かん水からの高品位炭酸リチウム製造」(2013)
【卒業論文※】小久保 真悟「晶析法によるホタテ貝殻成分からの高純度炭酸カルシウム製造」(2012)


研究業績

※印は、鶴岡工業高等専門学校(旧)晶析工学研究室におけるもの
【学術論文※】T. Mikami and T. Koseki: Reactive Crystallization of Lithium Carbonate in the presence of Magnesium Impurity, J. Chem. Eng. Japan, 50/4, 309-314 (2017)
【学会発表】猪股直司, 三上貴司「炭酸マンガン反応晶析における粒径制御と粉体充填性の評価」化学工学会新潟大会(2022)
【学会発表※】三上 貴司, 小関 恭史: マグネシウムイオン溶存下における炭酸リチウムの反応晶析, 化学工学会新潟大会(2014)
【学会発表※】小関 恭史, 清野 惠一, 三上 貴司: 反応晶析法を用いたリチウム塩湖擬似かん水からの高品位炭酸リチウム製造, 平成25年度東北地区高等専門学校専攻科産学連携シンポジウム(2013)
【学会発表※】三上 貴司, 小関 恭史: リチウム塩湖擬似かん水からの炭酸リチウム晶析, 日本海水学会年会第64年会(2013)
【学会発表※】小関 恭史, 小久保 真悟, 三上 貴司: リチウム塩湖擬似かん水からの炭酸リチウム晶析, 化学工学会第44回秋季大会(2012)