新潟大学工学部 晶析工学研究室 |
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晶析装置工学の研究 研究概要 この研究では、撹拌翼形状や邪魔板寸法などの装置構造を工夫して、固液間の混合状態や結晶粒子の浮遊状態を改善すること、さらには晶析操作における固液撹拌式の開発を目的としています。撹拌槽は、工業的な晶析操作で汎用の装置ですが、液体中に結晶粒子が含まれる分、両者を均一に混ぜるのが難しい仕様になっています。結晶粒子の表面は、結晶成長が進行中であり、原料が常に欠乏した状態になっています。そのため、結晶表面近傍の古い液と、液本体側の新鮮な液との交換を、効率良く行う必要があります。これが不十分だと、液の交換がうまくいっている結晶とそうでない結晶とで、時間あたりの成長量に差が出ることになります。最終製品の粒径が不ぞろいとなる原因になります。だからといって、撹拌速度を強めて強引に混ぜようとすると、空気が液中に巻き込まれたり、結晶が撹拌翼や装置器壁と衝突して破砕するなど、望ましくない状況になるのがふつうです。均一に混ざるまではゆかずとも、結晶粒子が装置の底に沈まない程度にはする必要があります。私たちの研究室では、晶析撹拌槽における撹拌翼の形状や装置底面からの取付位置を変更し、結晶粒子の浮遊挙動や最終製品の粒径分布に及ぼす影響を検討しています[五十嵐2015,渋谷2018]。さらには、より詳細に調査するべく、撹拌翼や邪魔板や案内円筒(ドラフトチューブ)などの装置付属品を一から自作し、なるべく穏やかな撹拌条件での完全粒子浮遊と混合状態改善に伴う粒径均一化を試みています[新井2019]。さらには、粒子浮遊に必要となる撹拌速度を計算するための設計式を提案しようとしています[稲葉2020][新井2021]。
図 自作した撹拌翼と案内円筒[新井2021]、結晶浮遊挙動[稲葉2020] 卒業論文 【修士論文】新井 涼平「カリミョウバンの回分冷却晶析における装置工学的検討」(2021)【卒業論文】稲葉 省吾「回分式晶析槽内における結晶粒子の浮遊挙動」(2020) 【卒業論文】新井 涼平「撹拌翼形状がカリミョウバンの核発生挙動に及ぼす影響」(2019) 【卒業論文】渋谷 春輝「回分冷却晶析工程における撹拌条件が粒径分布に及ぼす影響」(2018) 【卒業論文】五十嵐 丈「貧溶媒添加晶析工程における撹拌条件および貧溶媒添加位置の検討」(2015) 研究業績 【学会発表】新井 涼平, 三上 貴司「カリミョウバンの回分冷却晶析における装置条件の検討」分離技術会年会(2021) |